侮辱の告訴状・告発状の作成
侮辱罪の刑事告訴
侮辱罪についての犯罪は名誉に対する罪に該当します。
名誉に対する罪は公然と他人の名誉を毀損し、または侮辱する行為を内容とする犯罪であり、刑法では、名誉に対する罪として名誉毀損罪(刑法230条1項)、侮辱罪(刑法231条)を規定しています。
侮辱罪の保護法益は名誉毀損罪と同様、外部的名誉です。名誉棄損罪と侮辱罪は事実の適示(客観的な事実が伝達内容に含まれた場合)があったか否かで区分され、事実の適示があれば名誉毀損罪、事実の適示がなければ侮辱罪(単なる評価であれば侮辱罪)となります。
侮辱罪の成立要件
行為
①事実を適示しないで②公然と③人を④侮辱したことが求められます。
①事実を適示とは、単なる評価ではなく客観的な事実をいい、この客観的事実が伝達内容に含まれる場合をいいます。単なる評価であれば事実を適示しないでといえます。
②公然とは、不特定多数の認識し得る状態をいいます。特定少数の者に対して適示したとしても、伝播して不特定多数が認識する可能性がある場合は公然性が認められると解されています。
③人には、自然人の他、法人を含みます。
④侮辱とは、侮辱的方法によって人の社会的評価を低下させることをいいます。
親告罪について
侮辱罪は被害者の名誉感情を考慮し、親告罪(刑法232条)とされています。侮辱罪には告訴権者の告訴が求められます。